無伴奏チェロ組曲の各舞曲考察
~アルマンド(Allemande)~


アルマンドは、4分の4拍子の舞曲である。歴史的には2拍子だった時代もあったようだが、バッハの頃にはすでに4分の4拍子になっていたようだ。


テンポは遅めで、一口に言うと「ゆったり」である。
しかし、ゆったりではるが、4拍子のリズムを完全に失うほど遅すぎてはいけない。


ゆったりではあるが、優雅な流れるような動きを損なってしまっては、アルマンドではなくなってしまう。
また、テンポが速過ぎてもいけない。

雄大な河の流れを想像すると、ちょうど良いだろうか。

ゆったりと流れるように、「流麗さ」という言葉がぴったりくるように思う。


ただ、バッハの頃にはアルマンドもいろいろなテンポのものが作られていたようで、フランスでは「アルマンド・グラーヴ(遅いアルマンド)」と呼ばれる、テンポが遅めのアルマンドもあったようである。


無伴奏チェロ組曲では、第5番のアルマンドはおそらく、このアルマンド・グラーヴに属するものなのではないかと推測する。だから、他のアルマンドよりも遅めに弾くのが良いのかもしれない。
ただ、遅めとはいっても、やはりアルマンドには違いないので、「流れ」を損なうほどに遅すぎてはいけないと、個人的に思う。


シュタルケルのCDに聴かれる、第5番のアルマンドは、非常にテンポが遅い。これはこれでいいのだが、ちょっと遅すぎるように私には思われる。


第3番のアルマンドは、アルマンドらしからぬリズミカルな動きが特徴的だが、それでもやはり、優雅に流れるようなキャラクターは捨て去ってはいけないと考えているのだが、いかがなものだろうか。

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