無伴奏チェロ組曲の各舞曲考察
~ガヴォット、ガボット(Gavotte)~


ガヴォット(またはガボット)は、第5番と第6番の5曲目に置かれている。
たいてい4拍子で、ときに2拍子のこともある。

ガヴォットは、とにかくその飛び跳ねるような強烈なリズム感が最大の特徴である。
テンポはあまり速すぎてはいけない。ジャンプしては着地するかのような、独特のリズムを強調しなければいけない。

無伴奏チェロ組曲のCDでは、ほとんどの演奏でこのガヴォットの様式を間違えていることは少ないように思う。ただ、ロストロポーヴィチの2番&5番のみの録音では、明らかに5番のガヴォットが遅すぎ、重々しすぎて、演奏の仕方を間違えていると思われる。


また、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータのCDでは、ギドン・クレーメルの旧録音(1980年)において、パルティータ第3番ホ長調BWV1006のガヴォット・アン・ロンドー(ロンド形式によるガヴォット)の主題を、遅くしたりまた速く弾いたりというアゴーギクを加えて弾いているが、これはガヴォットであることを無視した恣意的な表現であり、ちょっといただけない。
…とはいえ、このCDは現在すでに廃盤で入手困難なため、ここで文句を言っても今さらどうしようもない。



バッハ無伴奏補完委員会トップへ戻る






Copyright© 2010 ばっかバッハ All rights reserved.
リンクはご随意にどうぞ。


inserted by FC2 system